― サンプルの亡霊と、静けさのなかの覚醒
Oneohtrix Point Never(以下OPN)による新作『Tranquilizer』が、Pitchforkで8.6点・Best New Music(BNM)に選出。
BNM獲得は、なんと2015年の『Garden of Delete』以来。
10年ぶりの高評価は、キャリア後期における静かなるターニングポイントとも言えるかもしれない。
📌 アルバム情報
- アーティスト:Oneohtrix Point Never
- タイトル:Tranquilizer
- レーベル:Warp
- スコア:8.6 / 10(Best New Music)
- 日本国内リリース日:2025年11月21日
- Apple Musicリンク:
▶︎ Tranquilizer – Oneohtrix Point Never
🔍 Pitchforkレビュー要約
『Tranquilizer』は、OPNことDaniel Lopatinが過去に収集した商業用サンプルCDの素材を再構築して制作されたアルバム。
Pitchforkはこの作品を、「新しいものでも過去のものでもない、“時間から浮いた音楽”」と称している。
ピアノ、ハープ、トランペット、SE的なノイズ。
それらが断続的に現れては消え、静けさの中に漂う感情の断片としてレイヤー化されていく。
構造があるようでないようで、聴き続けることで無意識に没入していく体験型の作品と評価された。
タイトルの「Tranquilizer(鎮静剤)」にふさわしく、
本作は静寂に包まれているが、決して鈍くはない。
Pitchforkは、「この沈黙の中には、巨大なエネルギーが密かに渦巻いている」と締めくくっている。
🧭 『Replica』(2011)との比較
OPNのディスコグラフィにおいて、もうひとつサンプリング作品の金字塔がある。
それが**2011年の『Replica』**だ。
類似点:
- 『Replica』も、80〜90年代のテレビCMなど既製音源からのサンプリングを主軸に構成された作品。
- 今作『Tranquilizer』と同様に、“断片的な記憶”を再配置し、文脈を外して鳴らすというコンセプトを共有している。
相違点:
- 『Replica』では、比較的はっきりとしたループやコラージュ構造が使われており、“切り刻む快楽”が前面に出ていた。
- 対して『Tranquilizer』は、素材そのものを音響空間に溶け込ませ、時間と質感を溶解させていくような作品。
- 記憶の引用から、記憶を“感覚として体験させる”次元へと進化した作品とも言える。
💬 所感(パーソナルコメント)
前作『Again』にかなりハマっていた自分としては、
本作『Tranquilizer』は第一印象ではややとっつきにくいと感じた。
『Again』ではリズムやメロディの引っ掛かりがわりとあったけれど、
今作はそれが意図的にぼかされていて、音の輪郭も曖昧。
ただ、そこにあるサンプリングの重なり・にじみ・ざらつきにはすでに惹かれていて、
何度も聴くことで、その魅力を“発見していく”作品なんだと思った。
Replicaにも似てるようでいて違う。
そして、『Tranquilizer』は、**「自分自身の記憶と結びついていく可能性を持った静けさ」**がある。
きっと、これから時間をかけてもっと好きになっていく気がする。
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