Best Albums 2025 発表後:Sharp Pinsがまたも高得点
Pitchforkの「Best Albums of 2025」が発表されたあと、
Album Reviews欄には次の年を見据えたような新譜が淡々と並び始めた。
年末ベストに選ばれるような強い“物語”や即効性のあるフックではなく、
質感・構造・聴き直したときの残り方で評価される作品が続いている。
このシリーズでは、Best Albums 2025 発表後に公開された
PitchforkのAlbum Reviews(アルバムのみ)を、時系列で網羅的にまとめていく。
今回は h. pruz から erg one までの4作品。
今回まとめた作品一覧
| アーティスト | アルバム | 主ジャンル | スコア |
| h. pruz | Red Sky at Morning | Folk / Country | 7.3 |
| SML | How You Been | Experimental / Jazz / Electronic | 8.0 |
| Sharp Pins | Balloon Balloon Balloon | Rock | 8.0 |
| erg one / Estee Nack / BoneWeso | The Life of Erg | Rap | 7.5 |
h. pruz – Red Sky at Morning(7.3)
家庭的で温もりのあるフォークを基調にしながら、
その裏にある不安や違和感を静かに滲ませるアルバム。
歌やメロディは親しみやすいが、
どこか落ち着かない空気が常に残る。
日常の安心感と不穏さが同居した感触が印象的で、
派手さはないが余韻の長い作品だ。
SML – How You Been(8.0)
実験ジャズのライブ録音を、
ポストプロダクションで丹念に再構築した作品。
即興演奏の生々しさと、
編集による構造的な美しさが同時に立ち上がる。
ジャズ、エレクトロニック、実験音楽の境界を行き来しながら、
音そのものの密度で聴かせる、強度の高いアルバム。
Sharp Pins – Balloon Balloon Balloon(8.0)
2025年に別作品がBest New Musicに選ばれたSharp Pinsだが、
今回も8.0点と高い評価を獲得している。
60年代ポップや90年代インディを思わせる、
軽快で明るいパワーポップ/インディロック。
一見すると分かりやすい楽曲が並ぶが、
繰り返し聴くとフックの配置や音の重なりがじわじわ効いてくる。
肩の力が抜けているのに、
妙に記憶に残る。
Pitchforkがこのバンドを継続的に評価している理由が、
自然と伝わってくる一枚だ。
erg one / Estee Nack / BoneWeso – The Life of Erg(7.5)
ストリート感覚のあるラップを、
重心の低いビートと質感で聴かせるコラボ作。
派手な展開や即効性のあるフックは少ないが、
言葉と音の密度が高く、
じっくり聴くほど味が出るタイプの作品。
2025年以降のラップが、
どこへ向かっていくのかを静かに示す一枚でもある。
まとめ
今回の4作はジャンルこそバラバラだが、
Pitchforkが評価しているポイントははっきりしている。
- 派手さより 質感
- 展開より 構造
- 即効性より 持続性
Best Albums 2025 発表後のPitchforkは、
次の年を見据えながら、
「長く残る音楽」を丁寧に拾い始めているように見える。
次回はこの流れの続きとして、
ira glass 以降のAlbum Reviewsを同じフォーマットでまとめていく予定だ。

コメントを残す