― シャワーのように降り注ぐ轟音と、静けさの共存
Deftonesが前作『Ohms』以来、約5年ぶりにリリースした新作『Private Music』。
静と動、重さと透明感、破壊と包容――かつてから両義性を魅力としてきたこのバンドが、さらに深く“内面”に潜っていった作品として話題を呼んでいる。
今回は、そのPitchforkレビュー(7.6点)をベースに、簡潔な要約と自分なりの感想をまとめてみた。
📝 Pitchforkによる評価(2025年8月)
- スコア:7.6 / 10
- Deftonesは、依然として“音の重力”を完全に掌握していると評価されている。
- 今作では従来の轟音や張り詰めた緊張感は保ちつつも、内省的で構築的なムードに包まれたサウンドが中心。
- ボーカルのChino MorenoとドラムのAbe Cunninghamが生むテンションと余白に、バンドの成熟が感じられる。
- フックやサビで押し切るタイプではなく、アルバム全体のムードや感情の波で聴かせるタイプの作品になっている。
🔍 Pitchforkレビューのざっくり要点
- 過去作と比べて「派手さ」は抑えられているが、その分深みと包容力が増している。
- その変化は「老い」や「パワーダウン」ではなく、成長や深化の結果として捉えられている。
- シンプルに“DeftonesがDeftonesであり続けるための静かな進化”とまとめられる内容。
🔤 タイトル「private music」が意味するもの
今作のタイトル『private music』は、Deftonesらしからぬほど静かで控えめな印象を受ける。
しかも、すべて小文字表記。大文字でもなく、“THE”も“DEFTONES”もつかない──まるで、自分たちが声高に何かを主張するフェーズを超えたかのような佇まい。
Pitchforkのレビューでも、“the title is appropriately modest”(このタイトルは控えめでふさわしい)という表現があるように、このアルバム自体が「誇示しない」「自己完結している」性格を持っているという前提がうかがえる。
また、「private」という言葉には、“パーソナル”“内向き”“密やか”といったニュアンスがある。
そこに「music(音楽)」を組み合わせることで、まるでこれは「Deftonesのための音楽」「他者の評価とは別の、自分たちにとって大切な作品」とでも言っているように感じた。
Pitchforkはこの姿勢を、過去の“怒り”や“破壊”の延長線上ではなく、成熟と沈静の到達点として捉えており、
その意味で、このタイトルはまさに音楽の中身と深くリンクしているように思う。
✍️ パーソナルメモ:私にとってのDeftones『Private Music』
Deftonesって、正直これまでバンド名しか知らなかった。
でも今回、グリーンの背景に白い蛇が浮かぶジャケットが目に飛び込んできて、
さらにPitchforkで7.6の高スコアが付いていたのを見て、「ちょっと聴いてみようかな」と思ったのがきっかけだった。
結果、大正解。
轟音が降り注ぐようなシャワーみたいなギターに包まれる1曲目から一気に持っていかれた。
ただ激しいだけじゃなく、その奥に静けさや広がり、感情の揺らぎが感じられるところに惹かれた。
そして何より印象的だったのは、1枚のアルバムで1曲のように曲がつながっていく感覚。
曲ごとの緩急、静と動の対比がとてもドラマティックで、まるで音の流れそのものにストーリーがあるようだった。
繰り返し聴くたびに、その流れの中に自然と没入していく自分がいる。

コメントを残す